<Social Game Infoインタビューより抜粋>
2017年、3月25日、KLabGamesにおけるゲーム展開コンセプトを
「Japanese IPs」「Global Growth」「Original Creations」という3つの軸から紹介する
新作ゲームラインナップ発表会「KLabGames NEXT VISION」を開催した。
 
本稿では、KLabの専務取締役 CGOの森田 英克氏にインタビューを実施。
ゲーム事業の振り返りとともに、今後の展望について語ってもらった。
klab-11

◼︎形成された文化の理解が肝となる「Japanese IPs」

—発表会ではコンセプトを3つの柱として掲げていました。その一つである「Japanese IPs」において、日本のIPをゲーム化することで肝となるのはどの点だとお考えでしょうか。
 
実は日本のIPかどうかはそこまで重要ではなく、日本で浸透しているIPかどうかがポイントですね。作り手と受け手がいるのかどうかという点です。
 
作り手として知らないものは作れません。IPを知っていたとしても、受け取る人たちがそのIPに対してどのように向き合っているかを知っていないと良いものは作れません。日本のIPであれば、弊社の人間もこれまでファンとして向き合ってきていることから、お客様に喜ばれるものが提供できます。
 
逆に言うと、海外のIPでも日本に浸透しているIPであれば、我々でも日本向けに提供はできるかと思います。しかし日本に浸透している海外のIPでも、海外向けでの提供は難しいですね。我々としてそのIPの理解はあったとしても、海外ではどのように受け止められているのはわかっていないですから。IPの世界観や魅力をスマートフォンゲームに凝縮してまとめていく作業ですから、何をコアにして凝縮すべきかは苦労すると思います。
 
 
—その作品で形成された文化を知っているかどうかが肝なのですね。
 
作り手がスマートフォンゲーム作りの作法をわかっており、IPを熟知し、ターゲット市場ではどのように受け止められているかもわかっていて、どういう風にゲームにまとめれば良いか把握できていないと、お客様は喜ばないということをこれまでの経験から明確にわかりました。

klab-6


日本文化が好きで、理解のあるスタッフが集まっている会社ということもあり、日本のIPゲームを日本向けに出すようにしています。そして、日本向けゲームを遊びたいと言う日本の文化が好きな海外ユーザーに対しても配信している、といった考えですね。これでうまくいったのが『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル』や『BLEACH Brave Souls』であり、やっていることは一貫しています。


—海外の中でも多面的に展開されているのですね。 弊社のフランス出身のマーケティングスタッフが、フランス語での放送を週に一回行っています。母国語での放送なので、フランスのお客様も盛り上がり、売上にも大きく寄与していると考えています。フランス語対応前後では、その地域の売上が倍近くに違いましたね。 かつては弊社も、海外拠点を構えて、現地の人にマーケティングを行ってもらうという方針をとっていました。そのメリットとしては、その時その場所で流行っているアドソリューションの情報を仕入れてくるという点があります。ただ、そこをしっかりやれても、結局やってみて実感したことはリアルタイムで生の情報を届けていく方が効果としては高いということです。 新しいアドソリューションを探して、CPIを厳密に追及してお客様の動きを細かく分析するテクニカルなことを突き詰めるよりは、しっかりとお客様に向き合い、情報を伝えることを重視する方が弊社には合っているのかなと感じました。

◼︎次世代コンテンツに投資するのが最も合理的…新規IP創出の狙いとは
—「Japanese IPs」の一方で、「Original Creations」を掲げる理由もお聞かせ下さい。

IPをお預かりしてゲームを出すというのはいつまでできることだと思いますか?もちろん、IPが無くなるまでですが、オリジナルIPがなければ必ずいつかは無くなります。すでに、ファンが多いと言われるIPも限られてきている状況です。 そうなると、新しい人気IPに各社が殺到せざるを得なく、獲得競争がより激化するという状況になりますので、自分たちでコントロールできるオリジナルIPを作るのです。例えば、今から3〜4年後に流行るIPがあるとして、それはまさに今、誰かが作っているIPじゃないですか。その誰かになりたいと考えています。 IPをお借りするにも各社が手を挙げるので、結果として、大手企業しか人気IPのゲームを作ることができなくなるかもしれません。我々の実績や経験値ですと、それでも有利なポジションにいるとは考えていますが、今よりもブランドとしてステップアップしていくためには、自分たちでオリジナルIPを作れるようになる必要があると考えています。 
企業ロゴなし_4-1_w670対応

—IPやシリーズ物が多くなり、新規タイトルが出てこないのは、これまでのゲーム業界でも辿ってきた道ではありますからね。
 
そうですね。また弊社では「オリジナルタイトル」というより「新規IP」を作りたいと考えています。アウトプットとしてゲームを最重要視していることはこれからも変わりませんが、それ以外のメディアにも展開していくことを考えています。

また、KLabGamesだけで全て完結していこうという気はまったくなく、原作開発が得意な会社様、クロスメディア展開が得意な会社様、特定のジャンルで強みのある会社様、才能のある個人のクリエイター様など、国内外問わず、積極的にコラボレーションしていきたいです。

—ゲームだけで完結するのではなく、あくまでIP創出が狙いだと。
 
ゲーム関連での投資と考えると、次世代のコンテンツに投資するのが最も合理的だと思います。2〜3年後はどういったIPがあるのかも想像がつかないので、IP創出は今やるべき事だと思っています。
—創出したいIPについて、構想はございますか。
 
原作設定が固まっている中でゲーム化するケースでは、ゲームから原作範疇に踏み込んで作るのは難しいですが、ゲームと原作の位置関係がフラットでバランスのとれた作品だと、ゲームで広げたコンテンツが原作にも波及できることもありますので、そういったゲームと原作がシームレスにつながるIPを作りたいと考えています。
 
そのバランス感がすごく重要だと思います。IPの枠の中でゲームを作るのではなくて、ゲームというアウトプットを活用してIPを広げていけるような活動を自社IPではしていきたいですね。
key_visual_01

引用元:Social Game Info

Social Game Infoインタビュー時:森田CGO⇒2018年2月1日肩書変更:森田CCO
 
 
このエントリーをはてなブックマークに追加